トンボ鉛筆の36色セットが好きな理由

カラーリストによる大人のぬり絵ブログ
Photo by Masumi Chiba 

私が大人のぬり絵を始めた時に用意した色鉛筆はトンボ鉛筆の36色セットです。この商品を選んだ決め手は、2,000円以下と購入しやすい価格であることと、幼い頃から馴染みのあるメーカーであったことです。実際に使ってみて、使いやすく満足のいく商品でした。
その後、ヴァンゴッホ、ファーバーカステル・ポリクロモスなどを購入し、現在はポリクロモス中心で塗っていますが、それでもこのトンボのセットは好きでよく使っています。(画像は購入した頃のもので、今はかなり減っています。)
そこで、この商品のどこが気に入っているか、今日はご紹介したいと思います。


◆ 私好みの硬めの芯 ◆

トンボ36色セットが好きな理由は、まず芯の硬さです。硬めの芯なので、線画の細かいパーツや隅の部分がきっちり塗れます。この「きっちり塗れる」という点は、私にとって重要ポイントです。
その一方で、ポリクロモスなど画材メーカーの商品に比べると、発色が弱く、混色に向いていません。その上、強く塗るとテカります。しかし、柔らい芯の色鉛筆には無い、カリカリ、キュキュッと塗れる感覚が好きで、手放せません。
全体的には発色の良いポリクロモスで塗り、細かい部分でトンボを使うというパターンもよくあります。


◆ 中間色の魅力 ◆

トンボ36色セットが好きなもう一つの理由は、色の構成です。トンボ色鉛筆の12色セット、24色セット、36色セットに含まれている色の構成を下の図にまとめてみました。

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トンボ色鉛筆のセット構成

24色セットまでは基本的な色や見慣れた色の名前が並んでいますが、さらに追加された12色がなかなか個性的です。ほとんどが中間色で、その中で私が特に好きな色は次の画像の6色です。


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ときわいろ、まつばいろ、なんどいろ、うすあお、ふじむらさき、ふじいろ。
最初の3色は色彩検定に出題されるような慣用色名なので、ちょっと解説すると…

・ときわいろ(常盤色)こい緑。松、杉などの葉のような色。
・まつばいろ(松葉色)くすんだ黄緑。松の葉の色。
・なんどいろ(納戸色)強い緑みの青。江戸時代に流行した藍染の色の一つ。

それから、「うすあお」はその名の通り薄い青で、「そらいろ(空色)」に近い色です。36色セットではあまり見ないと思います。
※ 因みに「みずいろ(水色)」について「青を薄くした色」と捉えていらっしゃる方が少なくないのですが、水色は薄い緑みの青で、ちょうど「なんどいろ」を薄く(明るく)した色合いです。
私は緑~青~紫辺りの色が好きでよく使うので、36色でこれらのカラーバリエーションが豊富なのはとても嬉しいです。

-ということで、このような使用感とセットの色構成によりトンボ36色を愛用しています。
道具の良し悪しは、使う人の使い方や好みによりますね。





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