塗り絵の記録⑤ 空気遠近法で遠近感に挑戦~ヴィクトリアン幻想図鑑/廃墟ワンダーランド

カラーリストによる大人のぬり絵ブログ ヴィクトリアン幻想図鑑
colored by Masumi Chiba  

人気イラストレーター黒イ森さんのぬり絵ブック「ヴィクトリアン幻想図鑑」からの初の塗り絵で「廃墟ワンダーランド」に挑戦しました。
寂しげな廃墟の前に佇む中世の鎧姿の少女。黒イ森さん独特のレトロフューチャーな雰囲気に惹かれましたが、全体が一枚の風景画となっているので苦労しました。


◆ 配色のプランニング

この作品は遠くの山々(遠景)、廃墟と少女(中景)、花やバッタ(近景)で、遠近感のある画面を構成しているので、色でもそれを表現したいと思いました。そこで取り入れたのが空気遠近法です。

空気遠近法は、遠くにあるものは淡くぼやけたトーンで、近くのものは濃い色ではっきりと描いて距離感を出す配色手法です。(改訂前の色彩検定3級テキストに掲載されていました。)代表的な例としてダヴィンチの「モナリザ」の背景がよく紹介されています。

これを含め、以下のポイントを決めました。

 ・遠くの山々は曇り空と一体化するような淡いブルーグレー
 ・廃墟はの石壁はグレー
 ・少女の鎧は重い色で存在感を出す
 ・少女のヘアは美少女戦士的なパープル
 ・手前は進出色の暖色を使い強いトーンで

少女の配色については、最初にシルバーの鎧と金色のヘアを思い浮かべましたが、シルバー(グレー系)では廃墟と同化してしまいそうなので、黒騎士のイメージでネイビーにしました。ヘアはレトロフューチャーを意識して華やかなパープルに。


◆ 途中経過と道具・紙質など

私の定番色鉛筆 ポリクロモスとトンボで塗りました。紙質は滑らかでサラサラと塗れますが、その分色の乗りは薄付きのように感じました。芯が硬めの色鉛筆を使っていることも薄付きの要因かもしれません。

いつもはパーツごとに塗り進めて最後に調整しますが、今回は全体に薄く色を乗せてみて、調整しながら色を重ねることにしました。-というのは、前述の空気遠近法のために遠景・中景・近景の各トーンの違いを明確にしたかったからです。


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※撮影時の光の関係で、色みが多少変わっています。

完成版は一番上の画像です。
ムラなく塗るのも大変ですが、石壁や木の扉など質感を出すのも難しい!苦労しました。因みに、右側のトノサマバッタはネットで画像検索して、それを参考に塗りました。
試したり、調べたり、苦労したり…、それも塗り絵の楽しみの一部ですね。





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