【映画・ドラマ×色】韓国ドラマ「暴君のシェフ」~想いを込めた仕事服の色
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2025年のベスト1との呼び声が高い韓国ドラマ「暴君のシェフ」を観ました。絢爛豪華な宮廷を舞台とした色彩鮮やかなドラマの中で、私の印象に残った色についてご紹介します。
■作品情報
・タイトル:暴君のシェフ
2025年製作/韓国/全12話
(あらすじ)
フランス料理対決ショーで優勝を果たした後、古い料理本に吸い込まれてしまったヨン・ジヨン。タイムスリップした過去の世界で、朝鮮の王であるイ・ホンと悶着(もんちゃく)を起こす。(Netflixより)
■感想(ドラマ全体)
韓国ドラマでは、主人公がタイムスリップしてしまうストーリーをよく見かけますが、この作品で過去へとタイムスリップしてしまったのは、優秀なフランス料理のシェフ、ジヨンです。彼女が朝鮮王朝時代の宮廷の熟手(料理長)となり、現代の料理と伝統料理を融合させた料理の数々を作り出すところが、このドラマの大きな見どころです。
この時代には毒草扱いだった唐辛子を料理に取り入れたり、当時の食材でマカロン風のお菓子を作ったり。そして、中国の料理人チームと料理対決するシーンでは、伝統的な中国料理も登場し、食材、調理の技、美しい盛り付け、料理に込められた意味など、食文化の奥深さを感じました。
主人公と「暴君」と恐れられる王様のロマンスや、宮廷内の陰謀も絡み、人気が高いのも納得の楽しい作品でした。
■注目カラー:王様が贈った仕事服の色
華やかな宮廷を舞台に、豪華な衣装や装飾品、インテリア、お料理と、美しい色が溢れているこのドラマの中で私の印象に残ったのは、第9話で王様がジヨンにプレゼントした新しい熟手服の色です。
それまで彼女が着ていた熟手服は、上の画像で見られる青色(映像ではもう少し明るい色合い)です。キリリとした知的な青で、仕事ができそうな印象を与えます。一方、新しい熟手服は、柔らかいピンクの身頃に、落ち着きのある葡萄色(えびいろ)の袖が付いた、女性らしい配色です。
この服を見て「すてきな色ね 色がきれい」と喜ぶジヨン。思わず「パーソナルカラーに合いますか?」と王様にたずね、何を言っているのか理解不能な王様の表情が微笑ましかったです。
ピンクと葡萄色の配色は、熟手服としては異例のようで、部下の料理人が「こんな色の熟手服は初めて見る」と話します。この点から、贈られた熟手服は単なる仕事着ではなく、王様が一人の女性としてのジヨンへ、色に想いを込めて贈ったものであることが伝わってきます。
色鮮やかな衣装よりも、想いが込められた仕事着がより心に残った作品でした。
■こんな方におすすめ
・韓国の時代劇ドラマやグルメドラマがお好きな方
・華やかな色彩や衣装に心惹かれる方
・料理とロマンス、両方楽しみたい方
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