【映画・ドラマ×色】韓国ドラマ「キム部長の物語」~プライドが選んだ黒
今回は、韓国ドラマ「ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語」(通称「キム部長の物語」)で印象に残る黒を取り上げます。
この作品は、ポスター等のイメージから、てっきりサラリーマン・コメディだと思い込んでいました。ところが、先月開催された「百想(ペクサン)芸術大賞」での大賞受賞をきっかけに視聴してみると、コメディタッチの部分はありますが、想像と異なるヒューマンドラマでした。
おすすめの作品なので、ネタバレにならないよう注意しながらご紹介したいと思います。
■作品情報
・タイトル:ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語
2025年製作/韓国/全12話
(あらすじ)
大企業の部長として幸せだった中年男性に訪れた突然の転落劇。やがて自分自身と向き合うこととなり、彼は真の喜びをもたらすものは何なのかを再発見していく。(Netflixより)
■ドラマの感想:出世を目指すのは、何のため?
キム部長が、自分は何のために頑張って来たのか、自分自身と向き合う姿を見て、思わず自分の人生を振り返った方は少なくないと思います。私もその一人です。
出世や家の購入などすぐ目の前の目標は見えやすいけれど、結局それらは何のためなのか、心の奥底にある本当の目的は意外と見えにくいものなのかもしれません。彼の気づきは、小さな目標をクリアすることにばかり夢中になっていると、大切なものを見失ってしまうということを、見る人に教えてくれます。
最初は「嫌なヤツ!」と感じたキム部長ですが、しだいに親しみを感じ、最後には応援したくなりました。そして、同時に自分も励まされたような気持ちになる作品でした。
■注目カラー:プライドが選んだ黒
キム部長のスタイルは、黒い高級車、黒いスーツ、ブランド物の黒いバッグと黒づくめで、同僚たちの中でもひときわ重厚感が漂っています。高級感やプロフェッショナル感、力強さを感じさせる黒に彼がこだわるのは、幼い頃の心の傷が影響しているようです。
物語の冒頭、小学生のキム部長が学級副委員長に選ばれたことを喜び勇んで母親に報告すると、その場に居合わせた兄に「副委員長で喜んでいるのか」と馬鹿にされます。そばに優秀な兄がいることで、人から認められたいという気持ちが人一倍強くなったことでしょう。
そんな彼が黒を選ぶのは、ソウルに家を持つ大企業の部長であるというステイタスを周囲にアピールしたい心理の表れのように見えました。黒づくめにするほど、彼の承認欲求が強かったということかもしれません。
キム部長の黒は、成功への憧れや承認欲求、そして心の奥の劣等感から生まれるプライドを映し出す色のように感じました。
■こんな方におすすめ
・仕事や人生について考えてみたい方
・コメディタッチのヒューマンドラマが好きな方
・登場人物の心理描写を楽しみたい方
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