【映画・ドラマ×色】韓国ドラマ『トングン -呪いの宮-』~王位を強調する赤
韓国の時代劇ドラマ『トングン -呪いの宮-』を視聴しました。悪霊やゾンビが登場する韓国映画・ドラマのホラー作品は、怖いと思いながらも、ついつい見てしまいます。
このドラマは、見始めてすぐに色彩表現へのこだわりを感じました。今回は、その特徴的な色使いについてご紹介します。
■作品情報
・タイトル:『トングン -呪いの宮-』
2026年製作/韓国/全8話
(あらすじ)
霊界に入ることができる男と、死霊の声を聞く力を持つ宮女。
王の命を受けて東宮(トングン)に足を踏み入れた二人は、この宮殿に隠された恐ろしい秘密を解き明かすことができるのか。(Netflixより)
■ドラマの感想:悪霊よりも恐ろしいものは…
悪霊退治を命じられた主人公のグチョンは、霊(もののけ)が見える風水師です。彼を助ける女官のセンガンは、霊の声が聞こえます。二人が見たり聞いたりする宮廷は、まさに魑魅魍魎が住む世界。
しかし悪霊たちも皆、もとは人間です。生きている間に積もった恨み辛みによって、成仏できない魂が悪霊となってしまったのです。その恨みの原因を作ったのも、また人間です。そう考えると、最も恐ろしい存在は人間なのかもしれないと思わずにはいられませんでした。
また、不気味な美しさと迫力のある戦闘シーン、ほっこりさせられる可愛いもののけの登場、ベテラン女優の怪演など、見どころが多く、怖いながらも楽しめる作品です。続編があるような予感もするので、楽しみに待ちたいと思います。
■注目カラー:王位を強調する鮮やかな赤
韓国ドラマの宮廷ものは、建築や調度品、衣装などの色彩が豊かな作品が多いのですが、この作品の第一印象は「暗い」です。この暗さを感じる要因は2つあります。
一つは、映像そのものの明るさです。全体的に暗いシーンが多く、これは宮廷内の不穏な空気を伝えるための演出だと思われます。
もう一つは、彩度の低さです。王族を含む宮廷の人々の衣装は、ほとんどがグレーに近い地味な色合いで、華やかさが感じられません。
その中で唯一目を引くのが、王の衣の赤です。シーンの中で浮いて見えるほどに、赤い衣だけが際立って鮮やかです。これは、単に「王位」を象徴するだけでなく、王位そのものを強調するための色使いではないかと思います。
王位を継ぐ世子たちが次々と亡くなる背景には、王位継承をめぐる争いの気配が感じられます。ひときわ鮮やかな赤は、王の座が階級の頂点であり、人を殺めてまでも手に入れたいものであることを印象づけているように感じます。そして、その赤からは、争いによって流れた血もイメージされます。
また、王一人だけがまとう鮮やかな色は、王の孤立や孤独を表しているのかもしれません。
■こんな方におすすめ
- 韓国の時代劇ドラマが好きな方
- ホラーに加えて、アクションやミステリーも楽しみたい方
- ドラマの中の色使いについて考えてみたい方
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